たった一言の差!デザイナーを動かす良いデザイン修正指示とダメな指示【具体例で解説】

わたしはデザインの仕事を15年以上続けてきました。
何人ものクライアントと仕事をしてきた中で、ある違いに気づきました。
- 「この修正指示なら、こちらから別の提案をしたい」とアイデアが浮かぶ指示
- 「よくわからないけど、とりあえず従っておくか」と考えてしまう指示
それほど差はないのに、修正指示の仕方一つでデザイナーの行動に大きな差が出ます。
良い修正指示とダメな修正指示の差は、ひとこと「その指示を出した理由」を加えるか、加えないか。
たったそれだけ。
信じられないかもしれませんが、このひとことが最終的な成果物のクオリティに大きな差をうむんです。
本記事では修正指示の良い例・悪い例を挙げながら、理由を具体的に説明していきます。
これを理解するだけで、今後あなたが関わるデザインプロジェクトが良い方向に進むこと間違いなしです。
それでは早速みていきましょう。
たったひとことでデザイナーのとる行動はガラリと変わる

二つの修正指示例をみていきましょう。
①ロゴをもっと大きく。
①と②の違いは「目立たせたいので」の部分のみ。この一言が次のような違いをうみます。
①「ロゴをもっと大きく。」を見たデザイナーの心理
「なんでロゴを大きくしたいんだろう?本当はこのロゴを大きくするとデザインのバランスが崩れちゃうんだけどな。でも、いちいち提案するのは面倒だからロゴを大きくしとこうっと。」
親切なデザイナーなら、クライアントに連絡をとって指示の意図を確認してくれるかもしれません。
しかし、時間の余裕がない仕事や、値段の安い仕事だったら、そこまでしてくれるデザイナーは多くないでしょう。
クライアントの指示通りにすれば、多少デザインが崩れたとしても早く仕事を終わらせられるんですから。
②「目立たせたいので、ロゴをもっと大きく。」を見たデザイナーの心理
「そうか、ロゴをもっと目立たせたいのか。それならロゴを大きくするよりも、上に移動させた方がいいな。ちょうどいいスペースもあるし、デザインを大幅に修正する必要もない。クライアントに確認してみよう」
ひとこと理由が添えてあるだけで、印象が大きく変わります。
あなたは
ロゴを目立たせる = ロゴを大きくする
というアイデアが思い浮かびました。
しかしデザイナーは
ロゴを目立たせる = ロゴの位置を変える
という、あなたとは別のアイデアを持っていたんです。
それはデザイナー側の手間がかからずクライアントの希望もかなえられる、両者にとって合理的なアイデア。デザイナーはクライアントに自分の考えを提案することに決めました。
理由つきの修正指示でデザイナーの提案を引き出す

理由がハッキリしているからこそ、デザイナーはクライアントの意図を理解した上で新しい提案ができます。
言い換えると、もし理由がよくわからなければ、デザイナーはあなたにはないアイデアを提案しようがないんです。
修正指示が多ければ多いほど「理由つきの修正指示」は大切に
「これを赤に」「この飾りを消す」など理由なしの指示に従うだけだと「デザイナーよりオペレーターを雇った方がいいんじゃないの?」という気持ちになります。
修正指示が多ければ多いほど、その理由は大切です。
修正指示の理由がわかると、デザイナー側で「そのまま反映する修正」と「クライアントに相談する修正」に分けられるので、デザインの質が下がる危険性は低くなります。
なんならリクエストや質問だけでもOKです。
「このロゴをもっと目立たせることはできる?」「どうしてこの飾りはこの色なのか教えて」
これならデザイナー側からデザインを崩さずにリクエストや疑問に答える解決策を提案できます。
「ロゴの大きさを変えず、周囲にスペースをあけましょう」「この色はメイン写真のこの部分と同じ色にしました。気になるなら緑にするのはどうでしょう?」
[say]クライアントからの「修正後」が想像できていない具体的な指示は、全部聞き入れてしまうとデザインが崩壊する恐れがあるので、デザイナーとしてはそのまま反映したくないものです。[/say]
理由つきの修正指示はクラウドソーシングで特に大切なテクニック

面識のないクライアントとチャットやメールだけで仕事ができるクラウドソーシング全盛期の今だからこそ「理由つきの修正指示」はデザイナーのアイデアを引き出すのに大切なテクニックです。
クライアントと全く話さなくても仕事が進む反面、考え方や性格が全くわからない場合もあります。
そんな時に「理由つきの修正指示」がクライアントの考え方を理解するヒントになり、デザイナーが「これはわたしの考えを提案しようかな」と行動するきっかけになるんです。
あなたも理由を添えて修正指示を出してみることをオススメします。
まとめ:「理由付きの修正指示」でデザインをブラッシュアップしよう

「そんな細かいことまで気にしなくても大丈夫じゃない?」と思われるかもしれませんが、この小さなテクニックが大きな差をうむとわたしは確信しています。
今すぐとり入れられるこんな小さなテクニック、使うか使わないかはあなた次第ですよ!