値下げ交渉のネタに使われる「今回よければ次回もお願いしたい」を信じてはいけない理由とクライアントの本音を確認する方法【フリーランス交渉術】
フリーランスの仕事の報酬交渉の場で
今回の案件でいい結果が出れば次の案件もお願いしたいので、今回はこれでお願い出来ますか?
と想定していたより低い金額を提示されたら、あなたならどうしますか?次回があると信じて相手の提案を受け入れますか?
結論から言うと、次回があると思わず報酬交渉を進めるべきです。
本記事では、こちらを掘り下げたいと思います。
- 値下げ交渉のネタに使われる「今回よければ次回もお願いしたい」を信じてはいけない理由
- 本当に次回があるのか確認する方法
- 値下げしても契約したい案件で少しでも有利な条件を引き出すワザ
- 値下げ交渉を防ぐ・されにくくする方法
では、早速みていきましょう。
値下げ交渉のネタに使われる「今回よければ次回もお願いしたい」を信じてはいけない理由【フリーランス交渉術】
値下げ交渉のネタに使われる「今回よければ次回もお願いしたい」は、ほとんどの場合は「報酬を少しでも下げるために使われるトーク術」です。
クライアントにあなたの仕事が評価されれば、最初にハッキリ言われなくても後日また別の案件で必ず声がかかります。
他に特別な理由がない場合は、単なる値段交渉術の可能性大
理由を聞いてもほかに明確な回答がなく「今回よければ次回もお願いしたい」の一点張りの場合は、ただ単に値下げして欲しい可能性が高いです。
次回に期待せず、たとえ今回の案件のみで関係が終わったとしても、あなたが納得できる値段を提示しましょう。
「今回よければ次回もお願いしたい」は「今回よくなければ次回はない」と同じです。クラウドソーシングサイトを介して仕事を受注している場合は、口約束に終わることも多いので気をつけてくださいね。
さらに他の候補者の存在を匂わせてくるケースは?
クライアントによっては「あなたがこの値段で無理なら、他の方にお願いします」と他の候補者の存在を匂わせてくるケースもあります。
ここで「この仕事が他の人に取られてしまう!この値段で契約しないと!」と焦って契約してしまっては、クライアントの思うツボです。
そんな時はお金以外の自分の強みをアピールしてみて、クライアントの反応を見てみましょう。
それでも他の候補者と比べられる場合は、残念ですがあなたでなくてもできる仕事だと思われていたり、今後もさらに他の候補の存在を匂わせて値下げ交渉されたりする可能性があります。
納得できない場合は、自分からやんわりお断りしておきましょう。
「本当に次回があるか」クライアントの本音を確認する方法
「次回」をネタに使って金額交渉をしてくるクライアントが、そもそも真剣に次回のことを考えているのかはわかりません。でも、本当に考えているか確認する方法もあります。
次回について具体的に聞いてみる
本当に次回があるか確認したいなら、
- 次回案件を受注するために今回達成すべきゴール
- 次回案件の内容やスケジュール
を聞いてみましょう。
ここでクライアントから具体的な情報が聞ければ「次回」がある可能性は高いです(あなたに発注するかはまた別の話です)。
が、もしここで何も答えてくれなかったり話をそらされた場合には、次回に期待しない方がいいと思います。
今回ではなく、次回の値下げを提案してみる
例えば「今回は難しいですが、次回は5%オフにできますよ」など、次回の割引を提案してみるのも手です。
次回のない案件なら、何かと理由をつけて今回の割引にできないか話をされると思います。
値下げしても契約したい案件なら、少しでも有利な条件を引き出そう
「金額は下がるけど、ポートフォリオに載せたい案件だから引き受けたい」など、値下げを受け入れてでも引き受けたい案件はあると思います。そんな時は値下げした分だけ別の条件を引き出せるよう、交渉していきましょう。
納期など金額以外の条件面を必ず交渉する
金額でクライアントの要望を受け入れたなら、他の部分であなたに有利に出来る部分はないか、ぜひ交渉してみましょう。
- 納期が伸ばせるか
- 報酬を早めに振り込めないか(マイルストーン払いに出来ないか)
- クレジット(自分の名前)を載せてもらえないか
次回の報酬をあげてもらうよう交渉してもいいですが、その場合はあとで「いつ誰が言ったか」記録に残る形で交渉しましょう(次回も値下げ交渉される可能性はあります)。
「時期的に空いているから」という理由で値下げするのは要注意
「時期的に空いているから」という理由で値下げを受け入れるのは、個人的にはあまりオススメできません。
もし値下げした案件と同じ時期に、すごく魅力的な仕事の話が舞い込んできたらどうでしょうか?スケジュールの関係で、魅力的な案件を断らざるを得なくなるかもしれません。
そうなると、値下げした案件へのモチベーションを保つのが難しくなると思います。また、値下げ案件のクライアントも次回の同時期の案件を最初から安く提案してくるかもしれません。
時期的な理由で引き受ける場合はストレートに理由を告げず、金額以外の面でクライアントと交渉して、それを理由に値下げするのがオススメです。
値下げ交渉を防ぐ・されにくくするにはどうしたらいい?
そもそも値下げ交渉をされにくくしておくことも大切です。あなたに仕事を発注するメリットをしっかりアピールしましょう。
報酬交渉時は内訳を明記した見積もりを提出する
報酬を交渉する時には、まず内訳を明記した見積もりを出しておきましょう。
大きなプロジェクトほど詳細な内訳を明記し、説明を求められたら明確に答えられるようにしておくのが大切です。ここでしっかり答えられなかったり、答えが曖昧だと後々トラブルに発展する可能性もあります。
やみくもに嫌な顔をするのではなく、何が原因で値下げをお願いされているのか確認するのが重要ですよ。
お金の面以外であなたに仕事を発注するメリットを説明する
金銭面以外であなたに仕事を発注するメリットを説明しましょう。
クライアントがあなたに仕事を頼むべき理由をハッキリわかっていれば、他のフリーランスと金額面で天秤にかけられることは無くなります。
- 過去のクライアントとあなたの仕事の成果
- タイトなスケジュールでも対応可
- 修正は○回まで無料 など
あなたにしか出来ないことや、できる人が少ない技術を持っているなら、必ずアピールしましょう。案件と直接関係ないことでも重要視されることがあります。
ポートフォリオを作ってあなたの作品や制作エピソードなどを紹介しておけば、真剣なクライアントほどちゃんと読んでくれますよ。
まとめ:クライアントの真意を見定め、自分だけ損しないよう交渉しよう
- 「今回よければ次回もお願いしたい」意外に特に理由がない時は、単なる値段交渉のためのトークの可能性大
- 具体的な質問をして、本当に「次回」があるか確認する手もアリ
- 値下げしても契約したい案件なら、金銭面以外で少しでも有利な条件を引き出そう
- 内訳を明記した見積もりを提出したり、金銭面以外であなたを雇うメリットをアピールしたりするのも大切
この記事があなたの報酬交渉時のお役に立てれば嬉しいです。
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